外国人に不動産売却をする理由は?メリットや流れを解説

売却向けコラム

灘野 博史

筆者 灘野 博史

不動産キャリア10年

愛媛県生まれなこともあり、夏、冬問わず主にアウトドアが好きですが国内外でのミュージカルなどを観劇することも大好きです。
築古戸建て投資から不動産をスタートし建築やDIYも得意です。

日本国内は全ての都道府県に旅行し、海外旅行も50か国以上は旅をしました。
各地の不動産(住宅や歴史的な建造物)を見ながら世界遺産や郷土グルメを食すのも楽しんでいます。

外国人に不動産売却をする理由は?メリットや流れを解説

近年では外国人に不動産売却をするケースが増えているのをご存じでしょうか。
なぜこのような取引事例が増えているのか、今回は背景事情や理由について解説します。
また、外国人に不動産売却をするメリットや流れにも触れているので、今後の参考にしてみてください。

外国人に不動産売却をするケースが増えている理由

外国人に不動産売却をするケースが増えている理由

なぜ外国人との取引が近年急増しているのでしょうか。
以下で理由を見てみましょう。

需要が高くなっている

そもそも日本国内にある不動産は、外国人にとって需要が高いものです。
実際に国内のさまざまなエリアでは、中国人を中心に土地が購入されるケースが増えています。
海外投資家に対して、日本における投資額についてアンケートを実施した結果、回答者の全員が増加させると答えていました。
外国人は現在も日本国内にある土地・建物などの物件に注目しており、常に情報収集をしているのです。
国内では災害が度々起こりますが、こうした問題に対処できるよう建築基準法に沿った建物が設計されています。
そのため、海外から見ても日本の建築技術は優れているのです。
しかも国内総生産はトップクラスで、最先端の技術を活かしています。
こうした要素に注目されるようになった結果、投資で多くの外国人が参入しています。

購入制限がない

海外では、外国人による不動産所有・購入に制限が設けられているのが一般的です。
しかし、日本ではこの制限がないため、お金さえあればいくらでも購入できる状態となっています。
永住権を持っていない海外の方でも、取引の対象となるため、誰でも不動産購入が可能となっているのです。
こうした環境は、需要の高い土地・建物を購入するうえで魅力的となります。
しかも日本にある土地・不動産は、海外の方から見るとリーズナブルです。
ランニングコストをあまり準備できない状況でも運用可能なので、投資においても注目されています。
仮に海外の方が購入しても、税金の徴収が通常より多くなる心配もありません。
あくまでも一般的な売買取引と同じ算出方法なので、負担がない点も特徴となっています。

外国人労働者の急増

国内で働く外国人は、毎年増え続けている状況です。
実際に接客業や飲食業など、さまざまな場所で外国人のスタッフを見かけるケースが増えてきました。
こうした背景事情も、外国人による取引が増えている理由と関係しています。
日本で働いているうちに、より充実した生活環境を求め、住まいを購入する方が増えているのです。
実際に居住用物件が購入された取引事例は多く、業界においても海外の方にリーチするための販売計画を立てているケースが多々見受けられます。
これまで私たちにとって、日本国内にある物件は、日本人に向けて売るものであると認識されていました。
しかし、そんな考えが近年変わりつつあるのです。

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外国人に不動産売却するときのメリット・デメリット

外国人に不動産売却するときのメリット・デメリット

外国人との取引は、どのようなメリット・デメリットをもたらすのでしょうか。
以下で詳しく見てみましょう。

物件が売れやすくなる

先述したように、日本の土地・建物は海外の方に需要があります。
そのため、日本人に向けて売却するよりも、売れる確率が高くなるのです。
当然ながら、物件を求めている方に対してリーチしたほうが、購入希望者は集まりやすくなるでしょう。
たとえ日本人にとってはあまり需要がない物件でも、海外の方にとっては魅力的に感じるかもしれません。
その結果、すぐに売買契約を締結できるケースもあります。
すぐに売りたい、良い条件で取引したいと考えている場合は、ターゲット層に海外の方を含めるのがおすすめです。

住宅ローンが通過しない可能性がある

デメリットとして注意したいのが、住宅ローンです。
一般的に金融機関は、外国籍を持つ方に対する融資を避けがちです。
必ずしも審査に通過できなくなるわけではありませんが、基本的にはその確率が高くなると思ってよいでしょう。
なかなか審査に通過しないと言われているのは、外国籍の場合に住宅ローンを組む条件が定められているためです。
たとえば永住許可がある、団体信用生命保険に加入できるなどです。
なかでも永住許可の条件は、海外の方にとって悩みの種になる要件となるでしょう。
日本では永住許可がない方でも物件の購入が可能です。
しかし、住宅ローンを組んでの購入となる場合は、永住許可がないと難しくなります。
このような事態に対処するためにも、外国人の方にはまとまった資金を準備してもらう必要があります。
一括購入ができる状態であれば、住宅ローンを組めなくても問題ありません。
取引時にはまとまった資金があるのかを尋ねないと、取引がスムーズに進まなくなる可能性があります。

取引上でトラブルが起こる可能性もある

海外の方は日本人と文化や感覚が異なります。
そのため、取引をしている最中にトラブルが起こる可能性を考慮しなくてはなりません。
たとえば購入希望者から値下げしてほしいと言われる可能性がありますが、その要望があまりにも大胆で、対応に苦労するケースがあります。
なかには値下げを断るとクレームを入れてくる方もおり、日本人との感覚の違いを感じるリスクがあるのがデメリットです。
また、自分の国の通貨で取引したいと言われる場合もあります。
円ではない通貨で取引してしまうと、本来得られるはずだった利益よりも少なくなり、損をしてしまう可能性が高いです。
需要が高く売れやすくなるのは、海外の方を取引の対象に含めるメリットです。
しかし、こうしたデメリットもあるのが事実なので、その点を考慮したうえで取引を進めなくてはなりません。

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外国人に不動産売却するときの流れ

外国人に不動産売却するときの流れ

もし外国人に不動産売却をする場合、どのような流れになるのでしょうか。
以下で詳しく見てみましょう。

引き渡しまでのおおまかな流れ

まずは通常通り、業者で査定をおこないます。
媒介契約を締結したら、売却活動を開始します。
売却活動は不動産会社が対応するので、買主が見つかるまで待ちましょう。
外国人をターゲットにしたい場合は、その旨を不動産会社に伝えるとスムーズです。
ターゲット層にリーチできると、買主が見つかって売買契約締結となります。
外国人のなかには常に日本の物件に注目している方がいるので、すぐに買主が見つかる可能性も高いです。
その後は支払い・引き渡しがおこなわれ、取引終了となります。
ここまでの工程は通常の取引の流れと変わりません。
そのため、相手が海外の方だからといって違いはないです。

契約書の言語に注意

注意したいのが、売買契約書をはじめとする書類です。
そもそも契約書に記載されている内容は、売主と買主がお互いに契約内容を確認するために作成されたものです。
しかし、肝心の買主である海外の方が日本語を読めず、内容を理解できないと意味がありません。
こうした状況に対応できるよう、売買契約書は取引相手の国の言葉に翻訳したものを準備してください。
これでお互いに契約内容を確認できるので、後々のトラブルを避けられます。
たとえ相手が契約書に記載されている内容に興味関心を示していなくても、トラブル時に「聞いていなかった」「内容が分からなかった」と言われるリスクを解消すべきです。
翻訳した書類は忘れないように気を付けてください。

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まとめ

外国人に対して日本の土地・建物は需要が高く、近年話題を集めています。
すぐに売れる可能性が高いですが、住宅ローンが通過しにくいデメリットもあるので注意が必要です。
売る場合の流れは一緒ですが、売買契約書は翻訳したものを必ず用意してください。


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