不動産売却における耐用年数とは?建物構造や減価償却について解説
不動産売却の際によく見聞きする言葉として、「耐用年数」が挙げられますが、どのような意味があるのかご存じでしょうか。
今回は耐用年数とは何かを解説します。
また、建物構造との関係性や、減価償却における仕組みにも触れているので、気になる場合は最後までご覧ください。
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不動産売却における耐用年数とは
そもそも耐用年数とはどのような意味なのでしょうか。
以下で詳しく見てみましょう。
物理的耐用年数
物理的耐用年数とは、劣化の影響で建造物が使用できなくなるまでの期間を指します。
現在は問題なく使用できていても、物が劣化すると材質が低下したり、物としての構造を維持できなくなったりします。
そのため、基本的にこの年数に達すると使用できない期間であるといわれているのです。
ただし、これは主に家電製品に対して使われている言葉です。
不動産売却をおこなうシーンでこの言葉を使用するケースはほとんどありません。
また、物理的耐用年数は家電によってさまざまですが、多くの場合はその年数を経過すると壊れたり、使用できていても不具合が起きたりします。
必要に応じて、買い替えや修理などが必要になると考えられるでしょう。
法定耐用年数
法定耐用年数は、価値を公平に算出する目的で、国が設定しています。
「法定」の言葉が含まれているため強い印象を受けてしまいがちですが、この年数に達したからといって、その場で使用できなくなるわけではありません。
こちらは不動産売却における固定資産税を計算する際に用いられます。
税金の仕組みと関連性がある言葉なので、ややこしい、または難しそうに感じる方もいるかもしれません。
基本的にはこの言葉を知らなくても、家や土地の売却に影響はないので心配しなくてもいいでしょう。
経済的耐用年数
経済的耐用年数は、物の価値がゼロになるまでの年数を指します。
市場価値がなくなるまでの期間を表しているだけなので、その年数に達したからといって使用できなくなる心配はありません。
ただし、市場において価値自体はなくなってしまうため、不動産売却にも影響をもたらします。
また、この年数については建物の品質や、想定されるリフォームなどを考えたうえで算出されているものです。
そのため、公平性がないと判断される場合も少なくありません。
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建物構造別の耐用年数
建物構造における耐用年数にも関係性があります。
以下で詳しく見てみましょう。
一戸建て
一戸建ては、法定耐用年数が22年と決まっています。
これは木造住宅の場合に定められた年数ではありますが、国内で建てられるマイホームのほとんどは木造となっています。
この耐用年数が経過すると、市場価値がゼロとして扱われてしまうので注意が必要です。
たとえば、5,000万円のマイホームを建てた場合、22年かけて徐々に価値が下がっていきます。
11年後には半分の2,500万円に達しているため、ほんの数年間で何百万円も価値が下がっていくのです。
ただし、ここまで急激に価値が下がってしまうのは、木材で設計されているためです。
木材は劣化しやすい材質のため、ほんの1年経過しただけでも価値が下がってしまいます。
また、中古の一戸建ての場合も、扱いは異なります。
中古の場合は、法定耐用の年数から築年数を引き、そこに築年数と20%をかけた数で算出する仕組みです。
また、法定耐用年数が22年以上の建物は、耐用年数はすべて4年で計算します。
マンション
マンションは一戸建てよりも強固な構造をしています。
木材はほとんど使われず、鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリートが採用されているのが特徴です。
いずれも多少の品質の差があるものの、比較的大きな衝撃に強く、安心して生活できる環境が整っています。
また、耐用の年数は47年なので、一戸建てと比較すると、とても長いのが強みとなっています。
ほんの数年程度で劣化してしまう心配はほとんどありません。
資産価値が下がりにくい建物となっているため、不動産投資にマンションを活用しようと考える方も少なくないです。
木造アパート
木造アパートはその名のとおり、木材でできたアパートとなっています。
ただし、使用されているのは、一戸建てで使われている材料ではなく、あくまでも木骨のモルタルです。
こちらの耐用の年数はおよそ20年なので、木造の一戸建てよりも年数が短くなっています。
そのため、不動産売却においても市場価値が低い物件とみなされがちです。
基本的に市場価値が高いのは、劣化に強く長持ちする建物です。
集合住宅の購入を希望するなら、木造アパートよりも中古マンションを選びたいと考える方は少なくないでしょう。
実際に、木造アパートの品質低下はスピード感があり、査定額も思っていたより低くなるケースが頻繁にあります。
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不動産売却時に重要な耐用年数と減価償却の関係
減価償却は、不動産売却時の耐用の年数と大きな関係性があります。
以下で詳しく見てみましょう。
そもそも減価償却とは
減価償却について知らない方も少なくないでしょう。
普段あまり見聞きしない言葉なので、仕組みについても知られていないかと思います。
簡単にいうと、減価償却は時間の経過によって、どの程度品質低下したのかを表します。
具体的な算出方法は、家や土地を購入した際にかかった費用を年数で割るだけです。
これを毎年経費として計上し、扶養負担を抑えるためのものとして使用されています。
たとえば、建物を5,000万円で購入した場合、かかった費用を一気に経費にしてしまうと、費用負担が大きくなってしまうでしょう。
こうしたリスクを解消するために、購入日から耐用の年数に分けて、少しずつ費用として計上していくのです。
計算方法
減価償却の計算方法は、取得価格×0.9×償却率×経過年数です。
また、不動産売却をする場合は譲渡所得が発生しますが、これを計算する際にも減価償却費が用いられます。
計算方法は収入金額から取得費と減価償却費を引き、さらにそこから譲渡費用を引くだけです。
基本的に計算する際は、それぞれの数値に当てはめるだけなので、決して難しくはありません。
ただし、取得費がいくらかかったか不明瞭なケースもあるでしょう。
こうしたケースには、売却によって得た収益に5%をかけると、概算として利用できます。
おおよその計算をしておきたい場合に試してみてください。
資産価値がなくなる前に売却を
先述したように、土地や建物は資産価値がなくなると、売却価格が安くなります。
さらに、それだけではなく、市場における需要も大幅に低下するため、買い手が見つからなくなる可能性が高いのです。
こうした問題を解消するためには、早く物件を売りに出すのがベストです。
売るのが面倒だからと後回しにしていると、ほんの数年経過しただけで市場価値が下がってしまい、得られるはずだった収益が少なくなります。
とくに木造の場合は、劣化してしまうスピードが速いため、売る場合は早い方がいいといわれています。
悩んでいる場合は、不動産会社に相談してみましょう。
市場に出す際に大切なポイントを教えてくれるので、早く販売活動に取り掛かってもらえます。
収益を得たい方は、早めに行動してみてください。
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まとめ
不動産売却における耐用の年数とは、主に3種類あります。
建物構造によっても年数が異なるのがポイントとなっており、減価償却費の計算にも左右されます。
価値がなくならないうちに、早めに売るように意識したほうがいいでしょう。
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