不動産売却で競売になることのデメリットは?競売までの流れとは

売却向けコラム

灘野 博史

筆者 灘野 博史

不動産キャリア10年

愛媛県生まれなこともあり、夏、冬問わず主にアウトドアが好きですが国内外でのミュージカルなどを観劇することも大好きです。
築古戸建て投資から不動産をスタートし建築やDIYも得意です。

日本国内は全ての都道府県に旅行し、海外旅行も50か国以上は旅をしました。
各地の不動産(住宅や歴史的な建造物)を見ながら世界遺産や郷土グルメを食すのも楽しんでいます。

不動産売却で競売になることのデメリットは?競売までの流れとは

住宅ローンの支払いを滞納していると、金融機関から支払いを促す「督促状」が届くようになります。
この督促状を無視し続けると、競売で強制的に自宅を売却されるかもしれません。
そうならないためにも、今回の記事では競売とはなにか、そのデメリットや流れについて詳しく解説していきます。

不動産売却における競売とは?

不動産売却における競売とは?

「不動産競売」とは、裁判所の権限によって強制的に自宅を売却する手続きを指します。
住宅ローンの支払いを滞納した場合、債権者である金融機関は、担保となっている物件を通じて、債務を回収するために裁判所に申し立てをおこないます。
この申し立てが正当と認められると、「不動産競売」の開始です。
金融機関が物件を担保に取れるのは、「抵当権」が設定されているためです。
抵当権が設定されていると、住宅ローンが支払えなくなった場合に、物件を売却して得た利益で債務を回収する保険のような役割を果たします。
抵当権は住宅ローンが完済されるまで解除されません。
競売での売却価格は入札によって決まりますが、開始価格は市場価値の3~6割に設定されることが多いため、物件が本来の価値よりも低い価格で売却されるリスクがあります。
また、新たな所有者が決定すると、債務者は強制的に立ち退きを命じられ、その後も残った債務の返済を続ける必要があります。
このように、競売は債務者の生活に大きな影響を与えるため、競売になる前に、適切な対策を講じることが重要です。

任意売却との違いとは

住宅ローンが支払えなくなった場合に考えられる、もう一つの選択肢が「任意売却」です。
住宅ローンの支払いができなくなると、競売は金融機関と裁判所が主導します。
一方、任意売却は物件の所有者が主体となって売却を進めることができます。
任意売却とは、物件を売却しても住宅ローンが残る場合に、金融機関の同意を得て不動産を売却する方法です。
売却や価格設定に金融機関の同意が必要で、特定の不動産会社を通じて売却する必要があるなどの条件がありますが、全体の流れは通常の売却とほとんど変わりません。
競売の場合、自宅の情報が官報やインターネットで公開され、間取り・室内写真・最低落札金額などが広く知られることになります。
しかし、任意売却は通常の不動産売却と同様に不動産会社が仲介し、市場で売りに出されるため、周囲に任意売却であることが知られる心配はありません。
また、競売の場合、売り出し価格は相場の約6割程度に設定されることが多いですが、任意売却であれば市場価格に沿った適正な価格で売却することが可能です。
もちろん、任意売却後も住宅ローンの残債については返済義務がありますが、金融機関の同意を得ておこなうため、現状に即した無理のない返済プランが立てやすくなります。
一方、競売後の住宅ローンの残債は一括請求されることが多く、自己破産せざるを得ないケースがほとんどです。

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不動産売却で競売になったらどんなデメリットがあるのか

不動産売却で競売になったらどんなデメリットがあるのか

強制的な不動産売却である競売には、ほとんどデメリットしかありません。
競売で自宅を手放すと、その後のローン残債の返済がスムーズに進まない可能性が高いです。
続いて、それぞれのデメリットについて詳しく解説していきます。

デメリット①売却価格が安い

競売物件は、通常の市場価格より3~6割ほど安く落札されることが一般的です。
一方、任意売却では相場の8~10割で取引されることが多く、競売に比べて明らかに高い価格で売却されます。
売却価格は残債の返済に大きく影響するため、できるだけ高く売却できる任意売却をおすすめします。

デメリット②プライバシーがない

競売の際、自宅の情報が官報やインターネット上に掲載される点もデメリットです。
競売にかけられている物件情報が公開されるだけでなく、不動産鑑定士や裁判所の執行官が調査のために訪問することがあります。
また、競売物件の購入を検討している不動産会社が詳細な情報を集めるため、近隣住民に聞き込みをおこなうかもしれません。
これにより、知り合いや近隣の住民に競売にかけられている事実が知られてしまう可能性が考えられます。

デメリット③強制的に立ち退きを迫られる

競売のデメリットとして、強制的に立ち退きを迫られる点も挙げられます。
任意売却では買主と交渉して退去日を調整する余地がありますが、競売では明け渡しの催告で指定された日時に強制的に立ち退かされます。
強制執行を拒否することはできません。

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不動産売却で競売になる場合の流れ

不動産売却で競売になる場合の流れ

住宅ローンの滞納が続いた場合、最も避けるべき事態は、任意売却の準備が間に合わずに物件が強制的に競売にかけられることです。
そうならないためには、ローンの滞納から競売完了までの流れをしっかり把握しておくことが重要です。
住宅ローンの滞納が続くと、債権者から督促状や催告状などのさまざまな通知が届きます。
これらの通知は、「任意売却のタイムリミットがどれくらい迫っているか」を知るための重要な情報源です。
通知が届く順序や、競売がどのように進んでいくかの流れを確認していきましょう。

金融機関から支払いを促す督促状が届く

住宅ローンを滞納して1か月から5か月の間は、債権者である金融機関から支払いを促す「督促状」が届くようになります。
この通知を無視し続けると、金融機関から支払いの意思がないと判断されるため、支払いの余力がある場合はすぐに対応しましょう。
しかし、経済的に余裕がなく今後の支払いの目途が立たない場合は、早めに金融機関に相談することをおすすめします。

一括返済を請求される

滞納から約6か月が経過すると、ローンを毎月分割で支払う権利である「期限の利益」を失い、ローンの一括返済を求める通知書が郵送されます。
月々の返済が困難な状況で、一括返済に応じるのはほぼ不可能です。

保険会社から代位弁済通知が届く

滞納から7か月が経過すると、保険会社から「代位弁済通知」が届きます。
これは、保険会社が債務者に代わってローンを一括返済したということです。
この時点で一括返済に応じられない場合、保険会社が競売の準備を開始します。

裁判所へ申し立てされる

滞納から8か月が経過すると、保険会社が競売を裁判所に申請し、債務者には物件の差し押さえ通知が届きます。
裁判所が申請を受理すると、債務者への調査が始まります。

裁判所から競売開始決定通知が届く

滞納から9か月が経過すると、裁判所から「競売開始決定通知」が届きます。
この通知が届いたということは、競売開始が間近に迫っているということです。
早ければ、4~5か月後には物件が強制的に売却されてしまいます。

裁判所の執行官が現況調査にくる

滞納から10か月から11か月が経過すると、「現況調査のための連絡書」が届き、裁判所から執行官が物件の状態を調査するために訪問します。
この調査を基に、物件の売却価格を決定する評価書が作成され、裁判所に提出されます。
そして、債権者である金融機関の同意が得られれば、競売の入札開始です。

入札と開札日が通知される

滞納から13か月から16か月が経過すると、入札の期間と開札日が通知されます。
競売を中止するには、開札の2日前までに、債権者である金融機関から任意売却の許可を得る必要があります。
この期限を過ぎると、競売を中断することはできません。

物件の所有権が落札者に移転される

落札者が代金を支払うと、物件の所有権が落札者に移転されます。
この時点で、物件の明渡し(転居)がおこなわれることになります。

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まとめ

競売とは、裁判所の権限によって強制的に自宅を売却する手続きのことです。
強制的な不動産売却である競売は、売却価格が安く、強制的に立ち退きを迫られるなど、ほとんどデメリットしかありません。
住宅ローンの滞納が続いた場合、競売になる前に、流れをしっかり把握しておきましょう。


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