不動産査定書とは?売却前に知っておきたい査定書の見方のポイントをご紹介

売却向けコラム

灘野 博史

筆者 灘野 博史

不動産キャリア10年

愛媛県生まれなこともあり、夏、冬問わず主にアウトドアが好きですが国内外でのミュージカルなどを観劇することも大好きです。
築古戸建て投資から不動産をスタートし建築やDIYも得意です。

日本国内は全ての都道府県に旅行し、海外旅行も50か国以上は旅をしました。
各地の不動産(住宅や歴史的な建造物)を見ながら世界遺産や郷土グルメを食すのも楽しんでいます。

不動産査定書とは?売却前に知っておきたい査定書の見方のポイントをご紹介

所有する土地や建物などの不動産を売却したいとき、査定書の作成が欠かせないのをご存じの方は多いのではないでしょうか。
とはいえ、査定後に書類を受け取っても、見方がわからずお困りになる方は少なくありません。
そこで今回は、物件を売却する際に作成する不動産査定書とはなにか、記載してある内容や見方のポイントをご紹介します。

不動産売却時に作成する査定書とは

不動産売却時に作成する査定書とは

土地やマイホーム、事業用資産を売却するには、資産価値を把握する目的で物件の査定額を調べるのが一般的です。
不動産査定書とは、物件の資産価値を記した書類であり、不動産会社が作成するタイプと不動産鑑定事務所が作成する2種類があります。

不動産会社による不動産査定書

多くの方がイメージする不動産会社による不動産査定書は、手数料はゼロ円です。
物件を売却する際に売主が査定先を選んで依頼して作成し、売り出し価格を判断するために利用します。
評価額の算出は、物件の立地や築年数、構造や間取りなどをもとにした取引事例比較法が一般的です。
査定から結果を受け取るまでの期間は、1週間が目安になります。
物件の条件だけで判断する机上査定(簡易査定)は、インターネットを利用して手軽にできますが、正確な金額は把握できません。
また、現地を訪問して目視でおこなう訪問査定(評価査定)は、物件の確認に加え、周辺環境も評価対象になります。
調査には30分から1時間くらいかかりますが、机上査定よりも詳細な査定結果を得られるのがメリットです。
なお、不動産会社の作成する査定書には法的なきまりがないため、記載する項目や書式は作成する会社によって異なります。

不動産鑑定事務所が作成する不動産査定書

遺産分割や離婚する際の財産分与などで裁判所に提出する書類は、不動産鑑定事務所が作成する不動産査定書でなければなりません。
不動産鑑定士が国土交通省の定める鑑定評価基準で査定した結果であり、不動産鑑定書の呼び名もあります。
査定額の算出には、取引事例比較法に加え、原価法や収益還元法など複数の手法を使うのもきまりです。
費用は20~30万円かかり、査定から結果を受け取るまでに1週間以上要します。

査定を依頼する際の必要書類

物件の査定に際して準備する登記識別情報通知書または権利証(登記済証)は、物件所有者の証明も兼ねる書類です。
土地の査定前に隣地との境界を明示した確定測量図がないときは、引き渡しまでに作成しなければなりません。
売買契約書や重要事項説明書、家の見取り図なども査定を依頼する前に確認しておきましょう。
建設住宅製法評価書やインスペクションの結果報告書、リフォーム履歴がわかる資料もあると、査定価格の上昇が見込めます。

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売却する際に役立つ不動産査定書の見方

売却する際に役立つ不動産査定書の見方

不動産査定書を受け取っても、見方がわからなければ売り出し価格や販売戦略を自分で判断できません。
複数の会社に査定を依頼しても、書式が異なるため混乱するばかりです。
査定書の基本的な見方を覚えて、納得する売買契約を目指しましょう。

不動産査定書に記載してある項目

査定書の項目は、物件の情報や査定価格、査定価格の根拠となる参考資料が主になります。
物件の情報は、所在地や駅までの距離、接道状況や面積などです。
査定価格は、標準価格に加え、上限と下限の価格も記載する会社もあります。
不動産会社が算出する査定価格は、交通アクセスや周辺環境に加え、需給バランスも考慮した金額です。
査定価格は予想値であり、周辺環境や需給バランスの変化により影響を受ける点にご留意ください。

査定価格の根拠の見方

査定書の見方で、多くの方がわかりにくいのが、査定価格の根拠です。
記載してあるのは、査定価格を算出するために参考にした近隣エリアの成約事例や売り出し事例、売り出し推奨価格のほか、査定した担当者のコメントなど多岐に渡ります。
近隣エリアの成約事例や売り出し事例とは、査定する際に比較した物件です。
査定価格を算出する際は、自社が取り扱った物件だけでなく、他社の成約価格や売り出し価格も参考にします。
エリア内における取引相場の目安になり、直近の需給バランスを査定価格に反映できるからです。
売り出し推奨価格は、査定をもとに不動産会社が算出した販売価格になります。
担当者のコメントは、査定価格を算出する際のプラスとマイナス要因を説明する内容です。
また、丁寧に記載してあるかを確認し、売却を任せられる人物かを判断します。

売却する際のリスクや今後の活動計画も確認する

査定書に売却する際にリスクになり得る要因を記載するのは、売主がリスクを把握していなかったために発生するトラブルを未然に防ぐのが目的です。
今後の活動計画は、不動産取引に不慣れな方にこれからのスケジュールを示して、不安を解消するために記載してあります。
また、売却する際に発生する諸費用が記載してあるかも重要です。
査定価格は、売主が受け取れる金額ではありません。
諸費用を支払って手元に残る金額を把握してから、手放すか判断しましょう。

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不動産売却時の査定書で重点的に確認すべきポイント

不動産売却時の査定書で重点的に確認すべきポイント

査定書を受け取ると査定価格ばかり気になりますが、見方がわかっていなければ不動産会社の意図は把握できません。
重点的に確認すべきポイントの見方を身に着け、わからないときは、担当者に説明してもらいましょう。

査定書が複数あるときは総額を比較する

複数の会社に査定を依頼したときは、査定価格の総額を比較します。
高額な査定価格を提示する会社もあれば、辛口の評価をする会社もあるからです。
少しでも高値で売りたいときは、査定価格が高額な会社に依頼します。
一方、住宅ローンの返済が残っている場合は、安値を提示した会社に着目しましょう。
売却する際の最低価格を提示している可能性が高く、ローンが返済できるか判断できるからです。
また、○○万円と記載するスタイルが一般的ですが、1円単位で査定価格を算出する会社もあります。
算出した根拠が記載してあるかを確かめ、記載がないときは担当者に説明を求めて解決すべきです。
なお、査定価格に幅があるときは、売り出し推奨価格と上限価格が同じではないか、下限価格は最低販売価格になるのかなどをご確認ください。

流通性比率も確認する

査定価格を算出する際、流通性比率を反映させており、算出する際の根拠に記載してあります。
流通性比率とは売りやすさを数値化した比率であり、基準は1.00(100%)です。
基準よりプラス1.1(10%)が売りやすく、マイナス0.85(15%)が売りにくい評価になり、この範囲内で示します。
通常は、数値とともに理由も明記してあるため、評価に影響を与えたコメントと相違がないかが、確認すべきポイントです。
専門用語のため見落としがちですが、コメントと相違があったときや記載していない場合は、担当者に説明を求めます。

見やすさもポイント

査定書は、レイアウトや書式にきまりがないため、見やすさも重視すべきポイントです。
多くの会社は表形式を取り入れていますが、文字が小さいときは見やすさを感じられません。
見やすさを意識している会社は、販売活動を展開する際、購入希望者にわかりやすく情報を届けようとします。
書類の見やすさは、広告チラシを作成する際のデザインにも表れるため、販売力の確認におすすめです。

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まとめ

土地や建物を売却する際の査定書は、不動産会社に依頼して作成するタイプを使用します。
査定書の見方は、査定価格の根拠が明示してあるか、流動性比率などの参考資料も漏れなく記載してあるかが確認すべきポイントです。
見やすさや専門用語が解説してあるかもチェックし、わからないときは担当者に説明を求めましょう。


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