賃貸と購入はどちらが正解?不動産のプロが解説します!
「住まい」に関する永遠のテーマに「賃貸」と「購入」のどちらが良いかというものがあります。
結論から申し上げると「人や状況によって異なる」ということです。
それでは「不動産を購入するか、このまま賃貸に住み続けるか」と検討したとき、どのようなポイントを考えて決断すれば良いのでしょうか。
本記事では不動産の賃貸or購入について以下の3点を解説しています。
その比較前提は本当に正しい?
賃貸と購入のメリット・デメリット
迷ったら考えるべき3つのポイント
不動産を賃貸or購入で悩んでいる人は、ぜひ検討の参考にしてみてください。
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「賃貸か購入か」比較前提は本当に正しい?
多くのウェブサイトにて賃貸と売買のどっちが良い?というテーマを取り上げ、さまざまなシミュレーション結果が掲載されています。
一見、それらのウェブサイトのシミュレーションは参考になりそうなものですが、以下の3つの理由から実際にはあまり役に立ちません。
理由1「家賃設定」
賃貸と購入を比較する際、家賃設定額は非常に重要と言えますが、その家賃額は適正なものでしょうか。
以下のグラフをご覧ください。
出典:全国宅地建物取引業協会連合会「不動産市場動向データ集」
このグラフは東京23区内の平均賃料の推移を平米単価で表したものです。
このように時期によっても大きく異なり、賃貸マンション・賃貸アパートなど物件種類によっても異なります。
もちろん、家族構成による物件の広さ、エリアや駅からの距離、駐車場の有無でも異なりますし、契約形態、更新料、引越しの有無によっても変わるでしょう。
正しく賃貸と購入を比較するためには、家賃額を詳細に検討する必要があります。
理由2「金利設定」
不動産購入を検討する際、住宅ローンをいくらの金利で借り入れするのかは重要なポイントです。
たとえば3,000万円の融資を30年で返済することを考えると、金利1%と2%では以下の違いがあります。
そして、金融機関によって多くの住宅ローン商品があり、短期固定や長期固定、変動金利など選択した商品によって金利が細かく変わってきます。
シミュレーション上にて金利が低く設定されていれば「購入」したほうが良い結果が出やすいですし、金利が高く設定されていればその反対です。
また、自分自身の職業や収入によっては優遇金利の有無が、自己資金によっても借入額が左右されます。
そのため、賃貸と購入を比較するためにウェブサイトだけの情報だけでは難しくなります。
理由3「修繕費」
不動産購入する場合、修繕費の検討はとても重要です。
しかしながら、一戸建てとマンションで修繕費の検討方法は変わり、一戸建てでは一般地域か寒冷地か、住宅地か沿岸地域かで修繕の頻度が変わるでしょう。
建物の使用部材でも変わりますし、日当たりの良さなどでも外壁の塗替え頻度は変わります。
マンションの場合では大規模か小規模か、共用施設の内容などマンションによって異なります。
また、居住中に災害が発生する可能性も否定できません。
保険で賄えることもあれば、マンションの場合は修繕費に大きな影響を及ぼすこともあります。
検討する物件の種類や立地・環境などで修繕費が変わることも検討するべきでしょう。
以上の3つの理由以外にも保険や諸費用など検討することが多く、シミュレーションしたとしても単純な比較は非常に難しいと言えます。
もし、しっかりと自分の状況を踏まえてシミュレーションするならば、不動産会社などの専門家に相談し正確な数字を出してもらうほうが安心です。
賃貸と購入のメリット・デメリット
それでは金銭面の比較以外の賃貸と購入のメリット・デメリットを解説しましょう。
【賃貸のメリット】引越しが容易
賃貸住宅の最大のメリットは、購入と比べて引越しがしやすいことです。
転職や転勤などにも対応しやすく、家族構成が変わればより大きい物件、もしくは小さい物件に引越せます。
万が一、収入が減ったとしても低い賃料の物件に引越すこともできます。
ライフステージの変化に対して対応しやすいことが賃貸の最大のメリットです。
【賃貸のメリット】災害リスク
2024年元旦に発生した能登半島地震が記憶に新しいですが、日本国内では常に地震を初めとしたさまざまな災害に被災するリスクがあります。
賃貸住宅に居住中に災害に遭ってしまった場合、建物の被害に対する修繕は貸主が実施してくれるため、災害に対する金銭的な負担がありません。
家財保険に加入しても建物の火災保険に加入する必要もなく、保険への費用負担がないこともメリットです。
【賃貸のデメリット】自分のものにならない
家賃をいくら支払っても自分の所有物にならないのが賃貸住宅で、資産として考えることができません。
そして、自分のものにならないために建物内のリフォームや改装などもできず、建物に手を加えたとしても退去時には原状回復しなければなりません。
【購入のメリット】資産になる
マイホームを購入する場合、毎月の住宅ローンで返済し一定額のお金を支払うことは賃貸の家賃と同様ですが、自分の所有物なので資産として考えられます。
住宅ローンを完済すれば売却や賃貸に出すことも自由です。
将来的に地価が上がることや、エリアのブランド力が上がれば購入時より資産価値が上がることもあります。
【購入のメリット】内装・設備や間取りが充実している
新築の戸建て・マンションならば最新設備を利用でき、中古物件だとしても自分でリフォームできるので最新設備を利用できます。
間取りについても賃貸物件と比べて自由度が高く、家族構成に合わせた間取りを選べることも購入のメリットです。
【購入のデメリット】引越ししづらい
マイホームを購入した場合、賃貸住宅と比べると引越ししづらいことがデメリットとして挙げられます。
売却して新たに購入するためにも手間や諸費用の負担が大きく簡単ではないでしょう。
住宅ローンの残債が多く残っていて売却価格より高額ならば簡単には売却できません。
マイホームを購入後に転勤が必要になった、離婚して家族構成が変わったなどライフステージに変化があった場合、対応しづらいことがデメリットです。
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迷ったら考えるべき3つのポイント
賃貸か購入かに迷ってしまった場合、考えることはたくさんありますが、絞り込むとしたら以下の3点が重要です。
ライフプラン
資産性
家族
ライフプランとは何年後に自分が何歳、子供が何歳で小学校に入学、高校受験が始まるなどを踏まえて、将来の計画を立てることです。
このときに収入を踏まえた計画を立てることは難しいですが、出費がどれくらいあるのかは想定しやすいでしょう。
自分自身のライフプランも重要で、今の仕事を続ける、または続けられるのか、キャリアアップや独立を目指すのか将来の展望も視野にいれる必要があります。
資産性については先述した通りです。
賃貸だと家賃は支払うだけで終わってしまうため、老後の不安を払拭するためには家賃とは別に積立てすることも必要です。
持ち家ならば売却することでまとまった資金を得られますが、実際に売却できるかどうかも考えなければなりません。
そして、賃貸か購入かを考える際にもっとも大事なことは家族のことでしょう。
家族に実家を作ってあげたい、子どもに家を残してあげたいと考える方も少なくはありません。
一方で、将来子どもが独立したら実家に戻るので、戻りやすいように賃貸住宅で良いと考える方もいるでしょう。
いずれにせよ家族がどう考えるのかを踏まえて、賃貸か購入かを判断すると良いでしょう。
注意点として「家族のため」と言う人のなかには、自分自身の希望を忘れている人もいます。
自分も家族の一員ということを忘れないことも重要ですよ。
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まとめ
賃貸か購入かを比較する際に、ウェブサイトを閲覧して情報収集することは良いですが、家賃設定、金利、修繕費などのことを考えると情報が不足しています。
賃貸・購入それぞれのメリット・デメリットを踏まえ、ライフプランや資産性、何より家族のことを考えて賃貸と購入のどちらが良いか決定しましょう。
賃貸と購入に迷って答えが出ない場合、専門家に相談することも重要です。
第三者の目線から冷静にかつ的確なアドバイスが可能なので、お気軽に弊社までご相談ください。
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