実際ペアローンはどうなの?
共働き夫婦がマイホームを購入するとき、夫婦二人で住宅ローンを返済する「ペアローン」を利用することができます。
夫婦のどちらか単独でローンを組むのが難しい場合でも、夫婦で協力することにより希望の融資を受けられるケースがあるのです。
現在、住宅価格の高騰によって借入額が増える傾向にあり、夫婦2人分の総年収でローンを借りるペアローンの利用が増えています。
今回はペアローンの実態や、利用する理由、利用する上での注意点などについて考えていきましょう。
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ペアローンとは?
ペアローンとは、1つの物件に対して夫婦それぞれが住宅ローンを組むことをいいます。
夫婦がそれぞれ契約者として、同じ金融機関から住宅ローンを借り、夫と妻がそれぞれ相手の連帯保証人となります。
大手銀行を始め、多くの金融機関が扱っている住宅ローンの1つで、夫婦に限らず、同居している親子などでも利用することができます。
今や住宅ローンを利用した世帯のうち約3割が使用しており、マイホームを購入する共働き夫婦がペアローンを利用することは珍しくありません。
単独でローンを組む場合に比べて借入額を上げられるので理想のマイホームが手に入るという反面、デメリットももちろんあります。
メリット・デメリットも詳しく解説した上で、後悔しないための対策もご紹介していきます。
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ペアローンのメリットは?
借入額を増やせる
ペアローンの最大のメリットは、借入額を増やせるということです。
もし夫婦でそれぞれ同じ収入があれば、単純計算で最大2倍の住宅ローンを借りられる場合もあります。
住宅ローンは年収によって制限があり、年収が低いと借入可能額も下がってしまいます。
単独ローンではどうしても借入額が少ないため希望の家を買うことができないという人は、ペアローンを利用することにより、借入額を増やすことができます。
団体信用生命保険にそれぞれ加入できる
次に挙げられるのが、それぞれが団体信用生命保険に加入できることです。
団体信用生命保険は、住宅ローン借入者が死亡したり重度の障害を負ったりした場合に、残った住宅ローンの債務を免除してくれる保険です。
ペアローンでは両者がそれぞれこの保険に加入することができ、もし何らかの不幸があった場合でも、生存しているパートナーの負担を軽減します。
さらに3大疾病や所定の身体障害状態・要介護状態になるリスクにも備えたいと考えるならば、団信で用意されている特約を選ぶことも視野に入れると良いでしょう。
住宅ローン控除の増加
ペアローンは夫婦それぞれで住宅ローンを組むので、それぞれが住宅ローン控除を受けることができます。
住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用してマイホームを建てたり増築したりした場合に、一定の条件を満たす人を対象にローン金利の負担を軽減してくれるという制度です。
具体的には原則10年間、毎年末における住宅ローン残高の0.7%分が所得税額や住民税から控除されます。
返済方法や期間を夫婦でそれぞれ設定できる
先述のとおり、ペアローンは独立した住宅ローン契約なので、借入額や金利タイプ、借入期間に融通が利きます。
たとえば夫は変動金利、妻は固定金利など、異なるローン金利を選ぶことで、金利上昇時に負担増となるリスクを抑えられる可能性を上げることができます。
将来の育児や介護を見越して、夫婦どちらかの借入額を少なくすることや、借入額を変えずに借入期間を短く設定する、繰り上げ返済も一方のローンを優先させるなど、ライフプランに応じた調整も可能です。
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ペアローンのデメリットは?
契約時の諸費用が2人分になる
ペアローンは上記でも述べた通り、夫婦それぞれで住宅ローンを組みます。
そのため住宅ローンを組むための諸費用も単純にほぼ倍に増えます。
住宅ローンを組む際にかかる諸費用にはいくつか種類がありますが、このうちペアローンで負担額が増えるのは、融資事務手数料・印紙税・登録免許税及び司法書士への報酬・保証会社事務手数料などです。
事務手数料や登録免許税は借り入れ額に比率を乗じて計算されるため、実際は住宅ローンが2つになったからといって諸費用が単純に2倍になるわけではありませんが、初期費用が多額になってしまうため、事前にしっかりと資金計画を立てる必要があります。
収入の減少
ペアローンで多くの借入をしている場合、大きなリスクになるのが「収入の減少」です。
近年、結婚して子どもが生まれる前や妊娠中にマイホームを購入する人が多い傾向があります。
現在の収入を基準に返済計画を立ててしまうと、産休や育休中には必ず収入が減少するので、家計が厳しくなってしまいます。
また、その後も子育てをしながら夫婦ともに働き続けられるとは限りません。
子育ての時間を確保するために夫婦どちらかが正社員から自営業や契約社員に転職して、当初の計画通りローンの返済が難しくなったというケースも多くなっています。
将来の家族計画や妻や夫の育休の取りやすさ、職場復帰のタイミングや復帰後の働き方などを考え、余裕のないローン返済とならないよう十分気を付ける必要があります。
離婚
ペアローンはお互いが連帯保証人になります。
もし離婚した場合、マイホームが共有名義のため、両方の同意がないと売却ができないということもあります。
また、片方が返済を滞った場合、もう片方に返済義務が生じてしまいます。
離婚後も子どもの教育環境などを理由に夫婦どちらかが住み続ける場合は、単独のローンに切り替える必要があります。
この時、夫婦2人の収入を基準にローンを組んでいると、どちらか単独で返済していくのは困難なケースが少なくありません。
物件の売却も選択肢の1つですが、価格が高いタイミングで売却できるとは限らず、ローン残高がすべて返済できない可能性もあります。
死別
ペアローンでは、夫婦のどちらかが死亡したとしても、完全に住宅ローンの返済義務が免除されることはありません。
単独ローンでは、契約者が死亡した場合は保険で住宅ローンが完済されますが、ペアローンの場合は夫婦それぞれが住宅ローン債務者となるため、どちらかが死亡しても相手方のローンは残るため返済を続けなければなりません。
住宅ローンの借入をする際は、団体信用生命保険への加入が要件に含まれていることが多いですが、ペアローンの借入時にも、夫婦それぞれが団信に加入します。
先述した通り、団信は基本的に、加入者が死亡もしくは高度障害状態になったときに、住宅ローンの返済義務が免除されるという生命保険です。
仮に夫が住宅ローン返済中に死亡したとしても、夫側の住宅ローンの返済義務しか免除されず、妻側の住宅ローンは残ります。
ペアローンを組んでいる夫婦のどちらかが死亡したときには、世帯収入が減る上に住宅ローンの返済義務も完全にはなくならず、家計の収支バランスが崩れてしまう恐れがあるのです。
贈与税がかかる可能性がある
片方がパートナー名義のローンを一括返済した場合や、一部繰り上げ返済した場合などには贈与があったとみなされ、パートナーに贈与税が課されてしまいます。
夫婦間であれば、生活費や教育費などの贈与には贈与税がかかりません。
しかし、住宅ローンの返済を夫もしくは妻がかわりに行うことは個人の財産に対する贈与と判断され、贈与税の課税対象となります。
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まとめ
ペアローンは、マイホーム購入の借入額を増やすことができる便利な制度です。
しかし、ライフスタイルの変化などによっては、収入に対して借入金額が過大になってしまう可能性があることに注意が必要です。
これから住宅ローンの借入を検討している方は、ペアローンのデメリットもしっかりと理解した上で、長期的な視点で考えて無理なく返済できる範囲かどうか、慎重に判断するようにしましょう。
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