ハウスメーカーで建てた家が売却しやすいのは本当?重視されるポイントとは

不動産

灘野 博史

筆者 灘野 博史

不動産キャリア10年

愛媛県生まれなこともあり、夏、冬問わず主にアウトドアが好きですが国内外でのミュージカルなどを観劇することも大好きです。
築古戸建て投資から不動産をスタートし建築やDIYも得意です。

日本国内は全ての都道府県に旅行し、海外旅行も50か国以上は旅をしました。
各地の不動産(住宅や歴史的な建造物)を見ながら世界遺産や郷土グルメを食すのも楽しんでいます。

ハウスメーカーで建てた家が売却しやすいのは本当?重視されるポイントとは

「ハウスメーカーで家を建てると、いざという時も売却しやすい」という話を、聞いたことはないでしょうか。
実際に、ハウスメーカーで建てた家は売却しやすく、それ以外の家よりも高値がつく傾向にあります。
この記事では、ハウスメーカーが建てた家が売却しやすい理由や、売却時に重視されるポイントを解説します。
家の売却をご検討中の方は、ぜひご参考になさってください。

そもそもハウスメーカーとは?

そもそもハウスメーカーとは?

ハウスメーカーと呼ばれる企業には共通するいくつかの特徴がありますが、法律上の定義があるわけではありません。
ハウスメーカーの特徴として挙げられるのが、都道府県やエリア限定ではなく、全国各地に支社や支店、住宅展示場などを持っている点です。
有名タレントを起用し、テレビコマーシャルを流す企業も多く見られます。
また、自社で建材の調達や加工、家の設計や施工までをおこない、家を規格化している点も、ハウスメーカーの大きな特徴のひとつです。
工場で一律で生産した建材を使い、統一された技術で建築するため、価格を抑えつつ、全国どこでも品質の安定した家を建てられます。
テレビコマーシャルの影響などもあるのか、ハウスメーカーで建てる家はすべて注文住宅だ、と考える方は少なくありません。
しかし、建売住宅の建築に携わっているハウスメーカーも存在します。
また、ハウスメーカーの家にはいくつかの種類のなかから好きな設計や設備を選ぶ「規格住宅」という種類もあり、注文住宅の良さである自由さと、建売住宅の良さである価格の安さを両立可能です。

ホームビルダーとの違いとは?

住宅建築業者には、ホームビルダーと呼ばれる会社もあります。
こちらも法律で明確に定義されているわけではありませんが、全国展開している大手企業をハウスメーカーと呼ぶのに対し、地元密着型の中小企業や工務店をホームビルダーと呼ぶケースが一般的です。
このような違いから、ホームビルダーに家の建築を依頼するメリットとして、個別の希望が反映されやすい点が挙げられます。

ハウスメーカーで建てた家が売却しやすい理由とは?

ハウスメーカーで建てた家が売却しやすい理由とは?

ハウスメーカーの特徴として、全国展開している大手企業である点と、家を規格化している点をご紹介しました。
ハウスメーカーで建てた家が売却しやすい理由の多くは、この特徴に由来します。
ハウスメーカーで建てた家が売却しやすい理由は、次のとおりです。

品質が高い

ハウスメーカーは全国展開し、家を規格化しているため、全国どこでも安定した水準の家を建てられます。
大手企業であるため知名度も高く、「有名なハウスメーカーで建てた家なら品質にも間違いがないだろう」と判断する方は少なくありません。
中古住宅であろうと、新築住宅であろうと、家を購入する方の多くは住宅の品質を気にするものです。
品質が高く、その事実が広く知られているため、ハウスメーカーで建てた家は購入希望者からの注目を集めます。

デザイン性が高い

ハウスメーカーは建材の調達から家の施工までを一貫しておこなっており、デザイン専門の部門もあります。
規格化されているため、規格化に向かない個性的な外観や、一点物の外観を実現するのには、ハウスメーカーはあまり向きません。
しかし社内に施工部門もあるため、建てやすさと暮らしやすさ、デザイン性の高さのバランスの良い設計が得意です。
このような、暮らしやすさに配慮したデザイン性の高さも、ハウスメーカーで建てた家が売却しやすい理由となっています。

アフターメンテナンスが充実している

すべての新築住宅には「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」による保証が適用されます。
これは、新築住宅の引き渡しから10年以内に家の重要な部分に不具合が見つかった場合に、無料で補償されるというものです。
一方、ハウスメーカーの多くは、品確法よりも長い保証期間を設けています。
家の重要な部分だけでなくあらゆる部分に保証を用意していたり、定期点検を実施したりしているハウスメーカーも少なくありません。
そのため、ハウスメーカーで建てた家はメンテナンスの行き届いた状態で売りに出されていることが多く、建築当初の品質の高さも相まって、品質の面で二重に評価されています。

ハウスメーカーで建てた家を売却する際に重視されるポイント

ハウスメーカーで建てた家を売却する際に重視されるポイント

ハウスメーカーで建てた家が売却しやすい理由は、品質やデザイン性が高く、その評判が広く知られているためでした。
ハウスメーカーで建てた家は購入希望者の注目を集める傾向にありますが、ハウスメーカーが建てた家のなかでも、さらに重視されるポイントがあります。
ご自身が売却しようとしている家が重視されるポイントに当てはまる場合は、売却時にそのポイントをアピールすると、売却しやすさに拍車がかかるでしょう。
ハウスメーカーで建てた家を売却する際に重視されるおもなポイントは、次のとおりです。

構造・工法

構造とは、建物の骨組みのことです。
木造や鉄筋コンクリート造など、建材によって名称が異なります。
一方、工法とは、構造を作る方法のことです。
木造住宅であれば、木造軸組み工法(在来工法)や木造枠組み壁工法(2×4工法)、木質パネル工法があります。
構造や工法は、家の丈夫さに関わる部分です。
また、その建物の資産価値がある期間を表す法定耐用年数は、構造によって異なります。
そのため、構造は資産価値にも影響するといえます。
現在は技術の進歩により、木造住宅で使用されている建材も頑丈なものが多くなりました。
しかし建物の頑丈さや資産価値は法定耐用年数と比例するため、耐用年数の長い鉄骨構造や鉄筋コンクリート構造のほうが、不動産市場では人気を集めます。
法定耐用年数が長い構造のほうが売却時に資産価値が残っている可能性があるため、ご自身の家の構造をあらためて確認しておきましょう。

メンテナンスの有無

同じハウスメーカーで建てた、同じ構造・同じ築年数の家であっても、不具合の多い家は資産価値が下がります。
そのため、しっかりとメンテナンスがされているかどうかも、大切なポイントです。
前章で解説したとおり、ハウスメーカーで建てた家は保証期間が長いため、売却を考えている時点でも保証期間内の可能性があります。
売却前に家の状態を確認し、メンテナンスを実施してみてはいかがでしょうか。

リフォームの有無

長く住んでいると、ハウスメーカーで建てた家であっても、ところどころにメンテナンスだけでは間に合わない不具合が生じます。
そのような不具合が生じた場合は、リフォームをすると、さらに長く快適に暮らせます。
とくに水回りやフローリングは劣化しやすく、汚れや不具合が目につきやすい場所であるため、リフォームをすると見た目が良くなり、購入希望者にも好印象を与えられるでしょう。
ただし、高く売却するためにリフォームをしても、思ったようには価格が上がらない可能性があります。
中古住宅は価格の安さが大きな魅力であり、リフォーム費用を上乗せした価格で売り出すと割高になって、中古住宅の魅力を打ち消してしまうためです。
生活に必要な部分はこまめにメンテナンスやリフォームをし、売却にあたって手を加えたい場合は、不動産会社の担当者などとよく相談したうえで実施することをおすすめします。

まとめ

ハウスメーカーに明確な定義はありませんが、一般的には全国展開し、建材の調達から家の施工までをおこない、家を規格化している大手住宅建築業者のことを指します。
ハウスメーカーの建てた家が売却しやすい理由は、品質やデザイン性が高く、その事実が広く知られているためです。
売却で重視されるポイントとしては、構造・工法のほか、メンテナンスやリフォームの有無が挙げられます。


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